非破壊検査は、試験対象物を破壊することなく、その構造体が有する本来の性能を満足されているかを調べる方法です。その目的は、欠陥を抽出したり寸法を測定したり材質が適正なものか、ひずみは起きていないかなどを調べます。赤外線を照射して内容物を確認することでは、空港での手荷物チェックは非破壊検査のひとつと考えられます。最近非破壊検査が注目を浴びているのは、非接触で内部の傷や劣化を検査することができる点です。
人手を使うことなく赤外線をビルの外壁などに照射させることで、外壁の剥離や劣化・内部の傷などを精度が高く検出できるのです。足場を組んでいた作業が、簡単な赤外線センサーを使用するだけでできるのです。コスト面でも大きな違いが出てきます。実は、日本の社会インフラには大きな問題が生じています。
高度成長期に建造されて道路やトンネル・橋梁・ビルなどが40年以上経過してメンテナンスしたり取り壊す必要があります。定期検査はしていますが非破壊検査をしていない構造物も全国では多数あるのです。このまま放置すれば、中央道のトンネル事故が発生しないとはいえません。全国で非破壊検査の要請が来ていますがそれに対応しきれていないのが現状です。
本当は、ひび割れ一つでも見逃してはいけないのです。よりよい品質のものをより早く検査できることが望まれています。事故防止のための安全システムとして機能しなければいけないのです。その自覚をもって赤外線検査をより精度の高いものにする必要があります。